詩、詞、画...諸々

三つの勿怪(アマチュアライブでの台本)

「朝からヤケ酒yeah!」
「右に同じくyeah!」
「トリオで仲良くyeah!」

 

「いやぁ、高い酒なだけあって、美味いよなぁ」
「ホント、ホント、白鹿、白鶴、淀の水。」

「それは大阪の水道水!淀川の水‼」
「おっと、イケねぇ、間違えた。

 でもさすが、持ってきた甲斐があったぜ!福の神のトコの酒‼」

 

ピッキーン

 

「ってオイ、それは言わないモンだろ?」
「す、すまない…」
「いや、いいよ…。パワースポット特集には、載らない俺達だし…。」
「俺達、悪い事したかなぁ」

「大体、人間が嫌いな物トップ3ってだけで、
俺達自身まで嫌わなくても、いいじゃねぇかよぉ」

 

そう、彼らは何を隠そう、貧乏、疫病、死を司る勿怪達。
世界で一番、塩やら、石やら、投げられます。

貧乏、金なし。疫病、病気で元気なし。死は、全てがオジャン
ですからねぇ。

 

でも、彼らの言う通り、嫌われたくて嫌われている人はいません。
そんなモノですから、泣きじゃくっているワケですよ。
そこで、物怪達は一念発起、人間に仕返しする事にしました。


決行の日、最強の呪文を唱えました。
アジャラモクレン、テケレッツのパー」

すると…

 

「諭吉ちゃーん!いずこへー?」

 

「とっつぁん、おかゆができたよ。」
「いつも、すまないね、ゲホゲホ。」
「それは言わない約束だよ。」

シャボン玉ホリデー提供。

分からない人は、60歳前後の人に聞こうね。

 

「ちーん、なーむー。」

 

世界はシッチャカメッチャカに。


人間達、緊急会議の結果、勿怪達の仕業だと気付きます。
早急に対策を考えますが、ケンケンガクガクとしてパッとした意見が出ません。
正座で足はガクガクになりましたが。
ここ笑うトコですよ。

 

「確かに、我らにとって、貧乏、疫病、死は、関わりたくないモノだ。
 だからといって、邪険にすれば、我らも邪険にされる。
 うーむ... 勿怪達を神様にしよう。」
「何故そこまでしないと駄目なんだ!他に案は無いのか!?」
「ならば、君達の素晴らしい案を聴こうか?」
「うっ…。」
いますよねぇ。文句だけ言う人々。

 

結果物の勿怪達は神様となりました。

経緯は知らず、不思議に思いつつも、悪い気持ちはしません。
だんだん機嫌がよくなり、仕返しする事を辞めました。
こうして、人間、神様は、平和に暮らしましたとサ。

ちゃん、ちゃん♡

 

 

若三つ(わかみっつ)第三話「湯殿」

下女たちは、私の着物を脱がせていきます。
私の体を、大きな石けんで綺麗に、洗い出しました。
肌は、どんどん綺麗に成っていきます。
それに伴い、農作業の手伝い等での泥や垢と共に、
何かまで失われていく様でした。

 

そうこうしている内に、
見た事のない華やかな着物を着せられました。
かんざしまで付いた、
明らかに私のために新調された着物でした。

 

一通り済むと、部屋に通され、
屋敷の主人の目の前に立たされました。

 

「やはり、見込んだ通りだ。
今日から、お前は、旦那様と呼べ。」
不敵な笑みを浮かべました。
そして、何が起こったのか、ようやく理解できました。

若三つ(わかみっつ)第二話「何処へ」

優しさにも要らぬ優しさがあります。
私は、外の生活というモノを知りません。
私は、この地で生まれました。
と言っても、思い出は片手に余るほどですが。
それでも、幸せだったのでしょう。
幼い頃、
野原を駆け回り、花摘み、お手玉、子守歌を聞き、
わらべ歌を歌っていました。

秋風は、始まりを思い出させます。
十歳になったばかりでした。
その年は、米があまり穫れず、
ひもじい思いをしていました。
そんな時、お金持ちそうな妙齢の男性が、
やって来て、何やら両親と話し込んでいました。

ある日、強い口調で両親に告げました。
「決まったな。」
くるりと私の方に向き近づき、
そばにいた若い衆に
「こいつは、若三つだ。」と言いました。
意味が判らず呆然としていると、連れ出されました。
両親は唯々泣いていました。

男性の馬車の中で、
何処へ向かうのか不安になっていると、
大きな屋敷に着きました。
それは、立派な門構えで、
しかも、たくさんの下男、下女がいて、
ただのお金持ちではない印象、威圧感を
子供心に与えました。

「今日から此処がお前の新しい家だ。」
「!?」
男性は、この家の主人でした。
更に困惑し、言葉が出て来ませんでした。
それでも、事は進んで行きます。
屋敷の中の奥の奥へ進み、
意外な所に、たどり着きました。

湯殿でした。

「悲しみ」を探す旅に出よう

可哀想という情けを掛けるだけの
鬱陶しい存在にはなりたくないのに

 

気も効かずに 配れずに
親しくなろうとする
本当に鬱陶しい私

 

何でもある都市(まち)で
何もない暮らしをしている
あなたに何を贈れば
少しは「イイ奴」になれるだろうか

 

「悲しみ」の意味すら判らなくて
「悲しみ」を探す旅に出たくなる

 


ここから少しずつ糸を解くのが
打って付けの方法にはしたくないよ

 

気も効かずに 配れずに
親しくなろうとする
本当に鬱陶しい私

 

早く「オトナ」にならなきゃ
随分前になった筈なのに

酒もタバコも飲めるのに
選挙権も持っている
何かが足りなさ過ぎるね

 

「悲しみ」の意味すら判らなくて
「悲しみ」を探す旅に出たくなる

 


風に吹かれ 雨に降られ
それでも息が出来たのなら
少しはマシになるのかな
少しは「イイ奴」になれるのだろうか

 

「悲しみ」の意味すら判らなくて
「悲しみ」を探す旅に出たくなる

 

意味:なんとなく思った。

若三つ(わかみっつ)第一話「女」

「何をしている!?」
警官である男が詰め寄った。
何かを、つぶやいているが、返事は、ない。
女が縄の前に立っていた。

 

彼は、両肩をつかみ、こちらを向かせた。
顔を見て、彼は、驚いた。
知っている女だったからだ。
数か月前、地主である男に囲われていたところを助け出し、
はれて自由の身となり、幸せに暮らしているはずだった。

 

「おい!」
再び、声を張り上げた。
それでも、返事はない。
その代わり、何をつぶやいているか判った。

 

「旦那様」
女は繰り返しつぶやき、両目は遠くを見ていた。
彼は理解に苦しんだ。

なぜ憎んでいたはずの男を呼んでいるのかに。

 

「しっかりしろ!」
激しく揺さぶったが、同じ事だった。

 

彼は、女を警察で保護すると、身元の確認を任された。
女は手記を持っていた。

彼は、それを読んでいく事にした。

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