詩、詞、画...諸々

若三つ(わかみっつ)第三話「湯殿」

下女たちは、私の着物を脱がせていきます。
私の体を、大きな石けんで綺麗に、洗い出しました。
肌は、どんどん綺麗に成っていきます。
それに伴い、農作業の手伝い等での泥や垢と共に、
何かまで失われていく様でした。

 

そうこうしている内に、
見た事のない華やかな着物を着せられました。
かんざしまで付いた、
明らかに私のために新調された着物でした。

 

一通り済むと、部屋に通され、
屋敷の主人の目の前に立たされました。

 

「やはり、見込んだ通りだ。
今日から、お前は、旦那様と呼べ。」
不敵な笑みを浮かべました。
そして、何が起こったのか、ようやく理解できました。

若三つ(わかみっつ)第二話「何処へ」

優しさにも要らぬ優しさがあります。
私は、外の生活というモノを知りません。
私は、この地で生まれました。
と言っても、思い出は片手に余るほどですが。
それでも、幸せだったのでしょう。
幼い頃、
野原を駆け回り、花摘み、お手玉、子守歌を聞き、
わらべ歌を歌っていました。

秋風は、始まりを思い出させます。
十歳になったばかりでした。
その年は、米があまり穫れず、
ひもじい思いをしていました。
そんな時、お金持ちそうな妙齢の男性が、
やって来て、何やら両親と話し込んでいました。

ある日、強い口調で両親に告げました。
「決まったな。」
くるりと私の方に向き近づき、
そばにいた若い衆に
「こいつは、若三つだ。」と言いました。
意味が判らず呆然としていると、連れ出されました。
両親は唯々泣いていました。

男性の馬車の中で、
何処へ向かうのか不安になっていると、
大きな屋敷に着きました。
それは、立派な門構えで、
しかも、たくさんの下男、下女がいて、
ただのお金持ちではない印象、威圧感を
子供心に与えました。

「今日から此処がお前の新しい家だ。」
「!?」
男性は、この家の主人でした。
更に困惑し、言葉が出て来ませんでした。
それでも、事は進んで行きます。
屋敷の中の奥の奥へ進み、
意外な所に、たどり着きました。

湯殿でした。

「悲しみ」を探す旅に出よう

可哀想という情けを掛けるだけの
鬱陶しい存在にはなりたくないのに

 

気も効かずに 配れずに
親しくなろうとする
本当に鬱陶しい私

 

何でもある都市(まち)で
何もない暮らしをしている
あなたに何を贈れば
少しは「イイ奴」になれるだろうか

 

「悲しみ」の意味すら判らなくて
「悲しみ」を探す旅に出たくなる

 


ここから少しずつ糸を解くのが
打って付けの方法にはしたくないよ

 

気も効かずに 配れずに
親しくなろうとする
本当に鬱陶しい私

 

早く「オトナ」にならなきゃ
随分前になった筈なのに

酒もタバコも飲めるのに
選挙権も持っている
何かが足りなさ過ぎるね

 

「悲しみ」の意味すら判らなくて
「悲しみ」を探す旅に出たくなる

 


風に吹かれ 雨に降られ
それでも息が出来たのなら
少しはマシになるのかな
少しは「イイ奴」になれるのだろうか

 

「悲しみ」の意味すら判らなくて
「悲しみ」を探す旅に出たくなる

 

意味:なんとなく思った。

若三つ(わかみっつ)第一話「女」

「何をしている!?」
警官である男が詰め寄った。
何かを、つぶやいているが、返事は、ない。
女が縄の前に立っていた。

 

彼は、両肩をつかみ、こちらを向かせた。
顔を見て、彼は、驚いた。
知っている女だったからだ。
数か月前、地主である男に囲われていたところを助け出し、
はれて自由の身となり、幸せに暮らしているはずだった。

 

「おい!」
再び、声を張り上げた。
それでも、返事はない。
その代わり、何をつぶやいているか判った。

 

「旦那様」
女は繰り返しつぶやき、両目は遠くを見ていた。
彼は理解に苦しんだ。

なぜ憎んでいたはずの男を呼んでいるのかに。

 

「しっかりしろ!」
激しく揺さぶったが、同じ事だった。

 

彼は、女を警察で保護すると、身元の確認を任された。
女は手記を持っていた。

彼は、それを読んでいく事にした。

糸と心臓

何処に行くの? 孤独な街の中
誰にも何にも告げないで

今の僕は待つしか出来ない

心を結ぶ糸がなくて
お互い、心臓は動いているのに

 

痛みの雨 世間の風 波の間 浮かぶ小舟

そんな君の手に携帯電話
寡黙な声から

さよならだけが聴こえた

 

鬱蒼とした気持ちを 甘えと決めつけ

怒ることしかなくて

君が悲しみに暮れている事も

他人に頼らない事も

判っていなかった

 

何処へ行こう? 薄日差してきたら
君の心見えてきた
心が糸で結ばれているはず
お互い、心臓が動いているから

 

意味:

僕ー「悲しみを探す旅に出よう」

君からみた僕ー「糸と心臓」

 

 

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