詩、詞、画...諸々

とある業界の事件簿

唐突ながら、死神業界にキャバクラが出来ました。


順を追って説明すると、死神は恨みを買う商売なので、あまり、成り手がいません。
一人当たりの仕事も多く、ヤル気も出ません。
ですから、華やかさ、カワイイ娘に釣られる従業員、欲しさのために、店を開いたのでした。


見込みは的中、業界に「No.1キャバ嬢」が誕生し、全ての神様業界の新聞、テレビに取り上げられ注目を集めました。
死神業界の景気は、飛ぶ鳥を落とす勢いでウハウハになりました。

それに、ともない、最初はイヤイヤしていた彼女も、チヤホヤされる内に、お高くとまる様になりました。


ちなみに、指名料はお金では、ありません。その死神にどれだけ魂の緒を刈るキッカケを与えたかのポイントで一緒に居られる権利が与えられるのです。

そのポイントをゲットするのに躍起になっているある神様業界のモノがいました。

 

疫病神です。

彼女に入れあげていました。
疫病業界の命令で病気にした人間の魂、
つまり、人間で言う給料のほとんどを、彼女に貢いでいる状態でした。

 

でも、病気を振りまく量は決まっています。
命令で病気にしてよい魂はすぐ底を尽きます。

考えあぐねていると、明日の病気にさせる予定の人間がリストアップされた書類が目に入りました。

ちょうど、一時間、彼女と一緒に居られるポイント分の命令です。
疫病神は、
「明日も今日も、大して変わらないだろう。」
と、軽い気持ちで、その日の内に人間を病気にさせ、書類上は明日にしました。

こうして、彼は犯罪に手を染めました。


そうなると、あとは、ダムの決壊です。「少しだけなら」が「これぐらいでもイケる」になり、見境いがなくなりました。


しばらくして、さすがに、「数字がおかしい」と言う話になり、監査が入る事になりました。すぐに疫病神は、しょっぴかれ、死神のキャバ嬢に貢いでいた事が明るみになりました。

当の彼女は、
「あたし、知らなかったし〜。」
と、暇を取ってのバカンス先で、ホストのイケメンに囲まれて、関係無い顔をしていました。

彼女がどんな態度をとっていたとしても、死んでしまった魂は、蘇りません。疫病神のせいで人間は、いなくなりました。


神様業界は人間相手の商売が成り立たなくなりました。
その分、地獄もまた、不景気になり、滅びました。
神様業界のモノが職を求め大量に押し寄せ、暴動が起きたのも原因の一つでした。

再び、混沌の世界が、生まれました。


おしまいです。


自分がしている仕事は、「自分だけの仕事」ではないのです。世間を巡っているのです。その仕事を何の為にして、次にどう繋げるかを考えた仕事をしましょう。

 

 

意味:どこかで聞いたような、あるある事件です。

神様になった理由(long version)【4】

4.紆余曲折

 

数日後、村長は、生き字引、話の理解が出来る若い衆、数名を連れて、モノノケ達の家に行きました。

モノノケ達は、丁寧に対応しますが、腹わたは煮えくり返っています。
「何の御用ですか?」
「貴方達に、これまでの非礼を詫びる為に参りました。」
「ほう、ならば誠意を見せて頂こうか?」
口先だけだろうと言わんばかりです。その空気を察し、生き字引が前に出て、口を開きました。
「それを分かって頂きたく、一緒に来て欲しい所があります。」


生き字引を先頭に、ある場所に向かいました。

それは、立派な神社でした。生き字引が、話の理解が出来る若い衆に造らせた、神社です。
さすがのモノノケ達も、想像もしなかったので、呆気にとられました。


すぐに、気を取り直し、尋ねました。
「誰もいない様だが、一体これは誰のための、神社ですか?」
「もちろん、貴方達のためです。ここで、嫌な思いをさせることのない、心豊かな暮らしを保障します。」
「随分な、これですね。で?望みは、何ですか?」
掌を返す仕草をしました。
「貧乏、疫病、死を鎮めて頂きたい。」
「ここまでされれば、礼として、応えなくてはならない。分かりました。飲みましょう。」

 

こうして、モノノケ達は人間と条約を結び、神様になり、平和に暮らしました。


世間では、嫌な事もたまにありますが、上手い事暮らして行きたいですね。

 

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