俺様は天才だ(創作物語)

いつの頃か、大した者でもないのに、

自ら天才と名乗る男がいました。

それだけなら、

笑いの種になっていたかもしれませんが、

「周りの奴らはポンコツ」

呼ばわりをしていました。

そんな者に限って、

勉強、仕事、言われた事をしない物です。

ですから、酒を飲まずも、フラフラしています。

ついに、彼は、中途半端に、

高倉健さんに憧れて、

勢いでヤクザの道に入りました。

 

彼は、いきなり失敗しました。

ブツを届ける先で道に迷い、

指定の場所も間違えたのです。

どこの世界も、まずは、簡単な事から始めて、

徐々に慣らせます。

「子供のはじめてのお使い」と同じです。

その簡単な事が、出来なかったのです。

あげくのはてに、警察に押収され、捕まりました。

組も、入って早々、クビになりました。

 

塀の中で彼は、本気でこんな事を考えていました。

「大体、しょーもないブツ運びを

俺様に、やらせるのがおかしい。

本当に周りの奴らはポンコツだ。

最近、また抗争が始まった。

よし、組長のタマを手土産に、

俺様のスゴさを見せつけよう。」

 

塀から出た後、勢い再びです。

喫茶店で、くつろぐ組長を、切りつけ、

タマを獲りました。

意気揚々とライバルの組へ

写メを手に報告に行けば、

歓迎されるはずでした。

 

ところが、組員は神妙な面持ちで、

部下にアゴで合図を送り、

彼に襲いかからせました。

びっくりした彼は、

なんとか警察に逃げ込みますが、

追い打ちをかけて、

「えー?」という迷惑そうな顔をされます。

それでもなんとか命拾いをしました。

 

秘密の場所で彼の元上司達と刑事が喋っています。

「いやぁ、あいつには手をやきますなぁ。」

「本当です。常識、不文律が判っていない。」

「俺たちは本当に映画みたいにドンパチする

と思っている。」

「しかも自分で気付いていない分、

余計にタチが悪い。」

「馬鹿な部下を持った身として

お互い苦労しましたなぁ。」

「刑事さん、すみませんが、

よろしくお願いします。」

「世界平和のため、しょうがないですね。」

 

そして彼らは意気投合し秘密の友人になりました。

再び塀の中に入った彼は、

ようやく、初めて、他人の役に立ちました。

 

まあ、何が言いたいか、言わず語らず。 以上。

 

意味:こんな感じの話です。