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少女達と織り物(序)

物語

ある男が所有している森は、途轍もない金額と引き換えに手に入れたそうです。
しかし、彼は手入れをしないどころか、自身を含め一切の立ち入りを禁じています。
彼は、その森に入る道のそばで、もう何十年も、住んでいるというのに。
その森へ入ろうものなら、例え、何も知らぬ旅人から、貴い身分の者まで、容赦なく叱りつけました。そこまでの徹底ぶりです。
もちろん、周りから、変わり者扱いを受けています。
それでも、周りからの反応など気にも留めず、今日も森に入る道を見ています。
どんな言葉をかけても、彼の返事は決まっていました。
「ここは、あの二人の場所だ。」