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少女達と織り物(三 機織り)

物語

一年が経ち、少年は13才になりました。二人の少女は相変わらずです。

 

でも、どこか、うっすらと陰がある様に感じていました。


ある日、二つの国が「友好を深める」という目的で、機織りの腕を競う催し物が開かれました。腕を競うとあって、優勝者への賞金目当てに、多くの職人の女性がやって来ました。少年の母親も参加すると言い出し、荷物係として連れて行かれる事になりました。

 

母親と会場に着いてから、幾人もの出場者を見て、驚きました。
出場者の中に、あの二人の少女がいたからです。
「どうして、こんなところにいるんだ?」
森で二人だけの世界で暮らしているはずです。
いざ、催し物が始まると、もっと驚きました。二人は美しい所作で織ります。人々の目には、二人の見た目からは、想像できないほど、美しい織り物を織り上げる姿が、確かに映し出されていました。


少年は、贈り合っていた織り物、着ているモノ全てが、二人の少女の手で織られた物と判りました。着ているモノと織り物が、違わぬ美しさを放っていたからです。二人の少女のお互いへの愛の深さが、怖ろしくなりました。


そうこうしているうちに、二人の少女は、甲乙つけ難く、そろって優勝しました。