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神様になった理由(long version)【1】

物語

1.三大厄災

 

今は昔、ある所に、マンガ日本昔話に出て来る、絵に描いた様な村がありました。
田んぼ、畑、茅葺きの屋根には、大根やら、干し柿やらが、吊るしてあります。
そんな村の外れに、みすぼらしい小さな家がありました。

 

住んでいる人は、3人。
彼等は、三者三様に、とても腕の良い職人ですが、
ある身の上により村人から煙たがられていました。
似たような境遇なので、3人は身を寄せ合って暮らしていました。

 


ある日、3人は、福の神の神社に供えられていた御神酒を盗んで、
酒盛りをしようと言い出しました。
同じような、神の神通力を与えられながら、福の神は、神社に祀られ、有り難がられていたからです。
もともと、アマテラスの人員配置によるクジ引きで決められた、テキトーなものなのに、良い目をしている。
よって、少々、盗んでも問題ない。
との考えでした。

その酒盛りで、良い気分になる筈でしたが、ついに、誰からともなく、愚痴をこぼし出しました。
「ったくよぉ〜。人間の野郎共そんなに嫌わなくても、いいじゃねぇかよぉ〜。」

 

そう、彼等は、何を隠そう人間が嫌いなモノTOP3、
貧乏、疫病、死を司るモノノケ達だったのです。
貧乏は金なし、疫病は病気で元気なし、死は全てがオジャンですからね。
もちろん、嫌われたくて嫌われている訳では、ありません。
クジ引きで選ばれている訳ですからね。

 

ですから、これまで、出来るだけ喜ばれようと、


貧乏は、いつも着ているみすぼらしい服を、如何に小綺麗に見せるかの知恵を活かした、お針子に、


疫病は、人間を病気にさせる能力を逆手にとって、病気のエキスパートとして、医者に、


死は、魂の緒を刈る鎌を常に研いでいるので、包丁や鍬、鋤などの、刀の研ぎ師として、


暮らそうとしました。

 

 

実際に、
お針子としての貧乏は、ほつれもなく、綺麗で、素晴らしい裁縫を、雑にする事なく、
医者としての疫病は、患者の容態を診れば、すぐに、病名、どんな薬を処方すればいいか分かり、
刀の研ぎ師としての死は。どんなにボロボロになった刃物でも、見違えるような光沢と切れ味を出すのでした。
すねずに頑張っていました。

 

 

しかし、村の人間は色眼鏡で物を見ました。

彼等の腕がいくら良くても、災いが降りかかる事を、怖れ、嫌がり、近付こうともしません。
挙げ句の果てに、出会えば、塩やら、石やら、投げつける始末です。

ですから、泣きじゃくり出しました。
泣き過ぎて、ワガママな子供のようにキレてしまいました。
そして、モノノケ達は一念発起、人間に仕返しする事にしました。