詩、詞、画...諸々

若三つ(わかみっつ)第四話「始まり」

その日から、夢の様な日々です。
毎日のご飯が、銀色に輝く白米です。
綺麗な服で身を飾り、農作業の手伝いをしなくて良いからです。
はたから見れば、そう見えるでしょう。

 

実際は、どうなのでしょう。
旦那様から色々と教え込まれました。
下男下女の
「こんな子供に。」
と言いたげな、冷たい視線を浴びながら。

 

旦那様へのあいさつ、言葉使い、立ち振る舞い、
旦那様と会話のための教養である、芝居、舞踊、茶華道、など。

何度も逃げたいと思いました。
しかし、家に戻れぬ身の上、
此処で生きていくしかないと、必死で体に覚えさせました。

 

あっという間に、三年が経ちました。下女から、告げられました。
「明日は、賜りの儀です。」

 

私は、改めて覚悟を決めました。
正式に旦那様のモノになるのです。
嬉しいような、悲しいような、
言葉に出来ない思いが、湧いてきました。

 

感傷に浸る間もなく、いつものように湯殿に行き、
いつも以上に体を綺麗にされました。

 

そして、下女は、薄ら笑いを浮かべ、
嘲るような、私を通して誰かを見るように去って行きました。

 

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